お腹が落ち着いたら行動開始。 13:00
弥陀ヶ原を戻って
黒ボコから先は観光新道の尾根へ。
疲れた終盤にやってくる延々続く急降下が大変辛いコースとなりますが、
子供達の調子はすこぶる良く心配なさそうなので、
渋滞による無駄な疲労感を避ける意味と
お花畑を見たい欲張りな父ちゃんの都合で(^^;)
砂防新道ではなく観光新道での下山をチョイス。
だって、ほら♪
『 ニッコウキスゲ 』 がまだまだいっぱい咲いている♪
チドリもいっぱい♪
やっぱコッチのコースにして正解(^^)
福井周辺の山では裏年/表年があって、
沢山見られる年とそうでない年のバラツキが大きい 『 コバイケイソウ 』
今回見つけられた花は、このたった一株だけでした。
ニッコウキスゲの群生地から少し標高を下げると、
トラノオの密度が濃くなってきます。イブキトラノオ満開だ♪
いいなぁ~
歩いているだけで、幸せな気分。
観光新道は主に尾根の南側斜面を見おろす道ですが、
北側へ回り込んだり、雪渓が残る場所があったり、谷を横切ったり、
乾燥の砂礫や、湿地、日陰、日向・・・
小刻みではありますが豊富な変化があります。
見られる花の種類も中々豊富。
『 ショウジョウバカマ 』
『 シナノキンバイ 』
『 タカネナデシコ 』
『 ハクサンタイゲキ 』
『 ツリガネニンジン 』
カラマツソウはクロボコより下の標高では至る所でみられる。
ニッコウキスゲも、単発や群落が断続的に現れてくれます。
ココ(↓)は、ハクサンタイゲキのグリーンを中心にトラノオやキスゲがイイ感じ♪
『 クルマユリ 』
『 ササユリ 』
『 シモツケソウ 』
『 シモツケ 』
シモツケは木。
シモツケソウは草、多年草。
園芸種で良く利用されるアスチルべと近い雰囲気。
もう終わり掛けで実になっているものが殆どでしたが、
まだ花が残っていて嬉しかった♪
これも人気の花、『 サンカヨウ 』
湿って水が流れる様な場所の近くや、雪渓の周辺に在る事が多い。
隣に咲いていた 『 エンレイソウ 』
葉の中心に花を置くのは
虫から注目され易くする戦略なのかな?
取り壊されて建て直しを待つ殿ヶ池避難小屋下の斜面には
未だ雪が在りました。
アップダウンを小刻みに繰り返しながら徐々に標高を下げてゆく尾根道。
草地から樹林帯になってきて眺望が減り始めると、
長女が「飽きたぁ~!」って言い始めました(^^;)ありゃりゃ。。。
そろそろ疲れが出る時間帯だもん。しゃあないか(笑)
虫や花で充分楽しめる私と違って、
残りの行程や地形が分っている私と違って、
子供達は、二人共この道が初めて。
私から見れば全然問題の無い二人で、時間の余裕も充~分なのだが
疲れてくると一気に心の余裕が無くなってくるのだろうね。
残り行程を説明したり、励ましたりしながら、
「最後の階段の激下りが凄んごいからなぁ~(笑)」 って脅したり(笑)
私まで心配する様な雰囲気になっちゃマズイと思うので、
明るく、「お前達なら大丈夫♪全然問題無い!」
飽きてきた長女に(^^;) 最後のアトラクション。
仙人窟の岩くぐり。
こんなのが、何でこんな場所に自然に出来るんだろうね?
里山に近い雰囲気になりながらも、
相変わらずお花は断続的に現れてくれます。
『 ヨツバヒヨドリ 』 の大株
大振りな百合などと違って、
こうした花やアザミの仲間は蜜が少なく乾燥気味に見えますが、
蝶には人気がある様です。
このまだら模様はヒョウモン蝶の仲間。
私は細かい区別は知らないので、『ヒョウモン』とだけ憶えています。
豹(ヒョウ)の模様でヒョウモン。分り易い。
今回の山行でのベストショット ↓
下の二頭は 『 アサギマダラ 』
大振りで、模様も美しく、飛ぶ姿もとても目立つ。
この日も何度も見られていたのですが、写真に収められたのはこれだけ。
写っているのは羽の裏側。
広げた表側の姿を写真に撮りたいなぁ。
よく、大まかな区別として、
チョウは羽を閉じて停まり、ガは羽を開いて停まると言われますが、
まあ、例外はあるのでしょうね。^^;
アサギマダラは日本列島を南へ北へと、
長距離の渡りをする事が知られています。
虫って、身体の小ささに比べて、体力、生命力が強いんだなぁ。
さて、
激下りの開始です。
湿潤な場所も多く、
滑り易い石段がとても危険。
長い長い激坂で、集中力の持続が大変なので
何度も何度も子供達に話しかけ、呼び掛け、注意喚起。
「ゆ~っくりでええでな!慌てんでええで、ボチボチ楽しんで行け。^^」
ある意味変化に富んだ道だからか?
ある意味かなり激しいアトラクションだからか?
長女のテンションが上がって 「たのしい~♪」 って言い始めた(^^;)
意外に慎重に歩く長男。
イケイケな長女。
ヒヤヒヤな父。
人の疎らな道だが、
どの方も疲労度が激しくなる区間なので
度々、立ち止まっている方を追い抜かせていただく。
途中、
階段が途切れ、一旦トラバース的な道になった処で、
長女の前方10m程を歩いていた男性が・・・
視界に入った瞬間から、
かなり疲れておられるなぁ・・・とは一目で分り、思っていたのですが
その僅か数秒後、
岩の段差をまたぐ様な場所で、
ふらついて
転倒! 全く受身も取れずに・・・
「あーっ!危ない!!!」 (←私の大絶叫)
登山道脇の斜面下へ滑落。
「だいじょうぶですかぁーーーっ!!!」
何度も叫びながら
慌てて駆け寄ります。
私の大声で気付いたと思われる方が登山道前方から戻ってきた。
お仲間の様です。
瞬時に、事の概要が見えた様な気がしました。
疲れて疲れて、限界で休みたい状況だったけれど、
同行のメンバーに遅れている為、遅れてはマズイとの思いから
足を止める事が出来なかったのでしょう。
つい、無理をして、事故が起きてしまった。
のだと、思う。
冬山で、危険箇所ではいつも後ろに回ってくれて
見守ってくれたり、備えてくれる仲間の事を思い出し、
ありがたいなぁ・・・。
パーティーの組み方の重要性を再認識した。
頭の半分では冷静にそんな事を考えていられたのは、
落ちた斜面が岩ではなく薮だったから。
それでも、
私よりも大きいと見て取れた体格の男性を背負って降りられるか?
怪我をしていたらどうしよう?
いや、まだ時間には充分に余裕があるから、
彼の状況確認をしたら別当出合まで駆け下って
救助を呼んでから登り返すのが正解だろうな。
単独行の場合特に多いのだが、怪我をした状態で無理して下山しようとして
結局、滑落してしまったり、致命傷を負ってしまう。
山から受傷者を安全に下ろすのは、実はとても困難。
私も、自分を過信したり無理をするべきではない・・・
正解を、ベストを、冷静に見つけなきゃ。。。
ほんの数秒の間の事だったのだろうが、
頭の中ではグルグルと様々な事を考えた。
幸い、
落ちた男性は直ぐに起き上がって、元気にこちらの呼び掛けに応えてくれた。
やはり薮で止まってくれたので、落ちた高さも少なく済んだ。
お互い苦笑い。
ホっ。。。
戻ってきたお仲間がストックを伸ばして引き揚げの手伝い。
事故を目の当たりにした我が子達も相当驚いてビビッただろう。
改めて注意を言い聞かせて、
ペースや早目の休憩に留意して下山再開。
まあ、
今回は運が良かったと言える。
私が見ていて良かった。
大声で同行者が気付いて良かった。
大した怪我が無くて良かった。
他にも、幸運は重なっていたはず。
もしも、
前後から離れた完全な単独の状況で起きていて、
怪我をしてしまい動けなかったら、身体の状況が悪かったら・・・
時間が経った後から同行者が気付いて心配になって引き返しても、
斜面下に居る滑落者を発見せずに通り過ぎてしまう可能性が高い。
おそらく、そのまま時間切れで夜を迎える事になる。
最悪の事態だって在り得た事象だ。
私自身にとって、
大きな戒め、学びの出来事だった。
ほんと、
無事で良かった。
終盤の激下りは、
私の脚でもかなりの疲労になった。
子供達、
よく元気にやり遂げました!(^^)
って、(^^;)やっぱ顔は疲れてるな(笑) 15:30 別当出合 帰着。
吊橋から吐き出されてくる人の波に合流して鳥居をくぐり、
振り返って、脱帽、一礼。
記念撮影。
大人でもキツイこのコース。
無事に、何事も無く、楽しく終われて良かった。
長男には実績があるので出発前から安心していましたが、
長女も意外に全然問題無く、体力も十分で
後半は特に安心して見ていられた。^^
また、
良い想い出ができました。
今後の夢も広がります。
いつまでも、
家族と一緒に、こんな時間が持てますように。
おしまい。
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