C ≠ AAA ≒ MPP
登山指数というものがあるのだそうです。
今更知った。(^^;)
本日、目指す山域の登山指数は軒並み 『 C 』
標高2,000m級の山では風速20m/sを超える予想。
一般的な(平地の)気象情報自体は完全な晴れ予報でこの上ないのだが、
山の上となると話が違う。
今日は、耐風姿勢で前進困難覚悟
または、
登り上げるのは諦めて、程好い場所で雪上ランチを長く楽しんで♪ 帰る。
って感じになるかも? ^^;
って話。
改めて天気図を見てみれば、
列島を覆う感じで南寄りに高気圧があり
日本海の上の方を低気圧が発達しながら東進してゆく感じの、晴れ。
確かに晴れではあるが、
気圧配置は、春一番が吹く様な条件に近い。
高気圧から吹き出す時計回りの風が
低気圧に向かって反時計回りに吸い込まれてゆく。
その通り道が日本列島の上。
なるほど、風強いんだね。^^;;;
仕事や家庭の諸々がどうにか片付いて
私の今回の山行が決定(許された)のは前日の夕方。
前夜、呑気に晴れ予報に安心して慎重さを欠き浮かれていた私に情報をくれて
朝、向かう道すがらもそうしたレクチャーをしてくださって・・・
それでも、そんな条件でも、私の希望を聞いてくれて
合わせて付き合ってくださった仲間に、
本当に、感謝。
今回の、私のたっての希望は・・・
この景色の先へ行くこと。
昨シーズン、機材トラブルにより
この絶景を目の前にして撤退した、ほろ苦く素敵な想い出。
今回は、そのリベンジです。
リベンジ・・・なんだけど、
敢えて、山に対してそうした言葉を使う事は気が引けるというか、
間違っているのでしょうね。
前回は、あの時の私では、許されなかった、受け容れて貰えなかった。
そういう事だと思っています。
今回は、
改めて、山の神にお願いするのです。
早朝の北陸道を北上
北アルプスのシルエット、剣のギザギザを目にすると、テンションが上がる。
わくわくが止まらない。
下界は未だ桜の季節だけど
来るとこまでくれば、
雪たっぷり♪
お喋りしながら、田圃の畦を歩き
山に取り付く。
序盤、低い標高だって滑落の危険。スキーアイゼン装着。
私は相変わらず、こういった状況では遅れる。怖いよ。
技術や経験の差は、
全体の行程の中では 『さほどでもない』 こういった場面に大きく現れます。
今回のパーティーは Okd,Got,Fumiの3名。
御二人がなんであんなにスイスイ行けるのか?
そりゃもう、毎度の事ながら、未熟さを痛感するのです。
無事、面倒な箇所をやっつけたら
穏やかな疎林の台地に出ます。
一気に心がほどけて、ノンビリお散歩。
やっぱ雪の森は気持ち良い♪
春だなぁ~
ツリーホールがいかにも春。
毛穴みたい(笑)
さて・・・
1年振りに、
山の神様との約束通り、
またやって来ました。
相変わらずの大絶景!心躍り、癒される場所です。
足元から、湯気を上げる火山の頂へと続く広大な平原。雄~大~。
その左右にも、あの山やこの山。
昨年はこの絶景をつまみに、此処で宴会して帰りました。(T。T)
再び青空の下でこの景色に出逢えて、
嬉しくて嬉しくて仕方がありません。
最高~♪ 感謝。
自然って、すっげぇ~なぁーっ!
さ、行くべ♪
自分一人では絶対にソコは行けず、大きく迂回するだろうな
って状況の、難しいトラバースなども
御二人のリードと見守りのお陰で順調に進み
風の無い谷の中を詰めてゆきます。
脚の疲労度がどんどんと蓄積されていって
身体的には辛くなってきますが、
眼前に展開する景色の美しさに魅了され
実に幸せな時間が過ぎてゆきます。
私は、雪山へ来ると、
自然の中に身を置かせてもらってる、
生きてるなぁーっ!って実感が、
強く湧きます。
普段の生活の中では中々巡り合えない感覚です。
稜線が近付くにつれ、やはり風が気になりだしますが
心配したよりも強くなく、これなら充分許容範囲。
これまでに経験した中でも、怖いレベルではない。
ここのところの運動不足で
筋肉ばかりか気持ちまで細ってしまっている私だが、
自分に喝を入れて、最後の急斜面を登り上げ、尾根の上に立つ。
景色の良い尾根歩きは、雪山登山の醍醐味。
気分爽快です。
わぁ~い♪ きたぁーーーっ!
少々悩みましたが、
思いのほか安定した気象状況に
折角だから、景色の良い場所でのランチテラス設営。
かん、
ぱぁ~い♪
程好くお腹が膨れたら、
絶景に名残を惜しみつつ、
大斜面へ。
稜線直下は急なので
先ずはOkdさんが先陣を切ってくれました。
危険箇所では、Gotはいつも後ろへ回ってサポートしてくれる。
熟達者が前後で安心感をくれる、このいつもの感じが
ありがたく、嬉しい。
さて、
私もエントリーしますが・・・
完全に腰が引けて、身体が谷側へ出せなくて、斜面に寄りかかる様な状況。
超超おっかなびっくりで降りました。
板の裏でソーラー発電!
Got!相変わらずカッコいい絵面から落ちてくる♪
昨年、仲間が滑った動画を見て、
このモノクロームの世界に魅せられてしまった。
この時間、この場所だからこその、
この絶景。
自分もその中に居て、
一緒に楽しめて、本当に幸せ!
見上げるOkdさんの足元を、
クラストのフィルムが繊細なガラスの様な音を立てて
はらはらカラカラと舞ってゆきます。
お天気、太陽の位置、そして雪質。
山での条件は、願っても、狙っても、そうそう叶うものではありませんが、
「とろけたぁーっ!」
そう誰かが絶叫した様に、最高極上♪
トリプルAの雪質でした。
一旦トラバで支尾根に乗り上げて隣の斜面を伺い、
「どっちへ滑る?」 と、より美味しそうな斜面を相談しながら
ルートを決定。
Okdさんは、山からスキーへ入ったそうで、
開始年齢もそれほど若くはなかったと聞き驚いた。
御自分では、力を使わない省エネなんだと謙遜しておられたが
無理無く滑らかに板を操る技術は本当に凄いと思う。
今回、そのキャリアなどを伺って、
改めて自分も、
今の自分を楽しみながら、もっともっと続けてゆきたいと実感。
ラインだけじゃなくって、
身のこなしが流れるよう。そう、滑らか、なんだなぁ。
雪面の模様が綺~麗~♪
ボクは相変わらず腰が引けてますが、
この雪質に助けられて、超快感♪
大斜面へ飛び込む爽快感がたまりません。
ひゃっほー♪
相変わらず腕がちゃんと前へ出ていなくて、
上体の向きが悪いケド、
まだまだ、キャリアはこれから。^^ 向上心もっていくよ。
憧れの仲間達を追いかけるんだ。
てか、楽しい♪
Gotは本当に広大斜面、大きな弧が似合う。
似合う、と言うより
あれだけ速度を乗せても、レールの上を滑る様にして落ちてゆく
その度胸と技術が凄い。
「ヴぁ~~~とまらねぇ~~~」(笑)
見下ろしても、見上げても、素晴らしい景色。
幸せを満喫します。
どてっ!
ぴょん♪
ジャンプ!
お喋りも一杯楽しんで、
余りの好条件に皆のテンションも高く、大笑いの会話。
こんな時間、素敵過ぎる。
徐々に谷が狭まってきて
陽の傾きを感じてくると、
あ~~~素敵な日が終わっちゃう・・・
って、いつものあの切ない気持ちを感じ始める。
(↑ 左、ココでも飛んでるGot。 右、ショボンなFumi。)
あ~~~楽しかった♪
もう、超幸福の充実感。
そんな満ち足りた状況を、『 MPP 』 って言うそうです。(ももパンパン)
昨年落っことしてきた忘れ物。
無事回収できました。
素晴らしい懐に迎え入れてくれた山の神。
今日は、その自然の 『 懐 』 を強く感じました。
そして、いざなってくれた仲間。
送り出してくれる家族。
毎度の事ながら、
感謝です。
おしまい。
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