能登の旅(前編)
月火と有給をとり連休を繋げましたが、
具体的な予定は決めていませんでした。
日曜日にもし山へ行けていれば月曜は休養日かな・・・などと思っていたのです。
結局ゆるゆると過ごした日曜の昼下がり
海を散歩していたら、
ぼんやりと頭の中に在った願望がむくむくと沸き立ってきて、
あの、海に囲まれた土地を巡る自転車旅がやりたくて仕方が無くなってきた。
『よし、折角だ、行っちゃおう!』
決断。
帰宅後、自転車の整備をし、
キャリア+パニアバックを取り付けて
超久々に 『 スーパー庶民号スタイル 』 を登場させます。
装備を整えたら、ネットで調べ物。地図をプリントアウト。
『 思い立ったが吉日 』 行き当りばったりが嫌いではない私、
例の如く、充分な準備時間も無いまま、
3時間程度の仮眠で、車に一式積み込んで出発。
只でさえ、快く許してくれた妻に申し訳無い思いなので
その上更に「お金ちょうだい」とは言えず、
お小遣いの範囲で済ませなきゃ・・・
深夜~早朝の下道ドライブです。(^^;)
今回の行き先は 『 能登半島 』
自宅からでは余りに距離があるので、
金沢の北、内灘にあるサイクリングターミナルを発着点としました。
朝5時過ぎ、
素晴らしい日昇の眺めに胸が高鳴る。ワクワクのスタートです。
序盤は『のと里山海道(高速道路)』に沿って北上。
高速脇のサイクリングロードをゆるゆると進み始めます。
半年以上振りのまともな自転車。
最後に100Km超を走ったのは、なんと昨年の8月です。
ワクワクと同時に、実はめちゃくちゃ不安。^^;
装備で重い車体。
さすがに自転車通勤とは全く違う、しっかりとした『負荷』を感じます。
脚の様子を伺うように、恐る恐る・・・(笑)どうにか走れそう(^^;)かな
不安、不安・・・ い、いや、楽しめ楽しめ。
旅だから、観光し易い様にとフラットペダルにスニーカー。
これも凶と出てしまいそうな気がしまくりですが(笑)
まあ、ノンビリ。 楽しみます♪
砂浜や防風林に沿ったサイクリングロードは、
所々荒れた箇所があったり
アスファルトの継ぎ目の段差が鬱陶しい場所が多かったり
高速道路を右へ左へと潜る事も数度で、
ロードバイクでスピードに乗って走るには向かない道ですが、
まあ、何より、気楽。車が居ない。
小一時間走って、
千里浜到着♪
平日の早朝とあって、
メジャーな観光地も静かです。
地元の方が犬を連れて散歩している様なのが時々見られるだけで、
車は殆ど通りませんでした。
1台、すれ違ったバイク(オートバイ)の方が、
手を上げて笑顔で合図をしてくれた。嬉しい(^^)慌てて挨拶を返す。
潮騒を聴きながら、実に爽やかで優雅なサイクリングです。
海岸を離れ市街地へ出たら、R249に乗ります。
程無く 『 気多大社 』
由緒正しき『能登国一宮』ですので、
やはりこちらで遊ばせて頂くにあたって御挨拶をせねば・・・と。
そんな気持ちで、改まって一礼。
いざ、これより能登半島本番です。
先ず最初に、国道沿いのパーキングで、
大キジを撃ちました(^^)♪一安心。
R249~(県)36と、海岸沿いに進む定番のルートで
『 福浦灯台 』
日本最古の西洋式木造灯台です。
天然の良港であった福浦港は、奈良時代にはあの遣唐使が出港し
江戸時代以降も北前船が出入りして、
能登文化の中心の一翼を担った場所です。
今は、ひっそりと静かな佇まい。
素敵。
(県)36ここから先は、『能登金剛』と呼ばれる景勝地が続きます。
『 巌門 』
『 機具(はたご)岩 』
いかにも昭和ぁ~な日本人が好みそうな風景が続きます。^^
此処も定番、
富来の 『 世界一長いベンチ 』
丁度、海に沈む夕陽が眺められる方向なので
恋人の聖地的な場所です。
平日の朝にオッサン独りで来ても、少々空しいですが。。。(T。T;)
流石俺超晴れ男。
雲一つ無し!
段々と暑くなってきました。
増穂浦からは、西へ半島を舐める様に回り込んで北上。
(県)49に乗って、更に海岸線を辿ります。
暫くはこれといった観光地も無いので、長閑な農村の風景です。
あ~~~これが俺の求めてた能登だ~~~~
って雰囲気になって来ます。
平日故に尚更でしょうが、交通量が皆無になり、
本当に、何も無い。
疎らな人家や倉庫、田畑や森、単なる空き地や草っ原
その中を緩やか~にアップダウンを繰り返す道。左手奥には海が見える。
長閑。
野良仕事に精を出す御老人が時々目に入る。
道端ですれ違いになると会釈や挨拶。
穏やかな時間が過ぎます。。。
ハマダイコンのお花畑に、思わずペダリングを止める。
脇道へ逸れて、
海士崎の灯台へ寄ってみました。
ココのは近代的だね。
の~~~んびり♪
素晴らしい雰囲気を満喫します。
笹波という地区には、広大な棚田が在りました。
未だ田植えの準備時期、
一面に水が張られて苗が風に揺れる頃は、さぞかし素敵な眺めでしょう。^^
ここや、有名な輪島白米の千枚田に限らず、
平地の少ない能登では、耕作地は基本何処も段々畑に棚田です。
道中ず~っと、規模の大小は別として
美しい棚田の風景がそこかしこで見られました。
(県)49が国道へ合流する1Km程手前からは
再び道が断崖の上を通るような位置になり、
観光スポットが現れます。 『 義経の舟隠し 』
ネーミングや伝説の『ありがち?』アピールポイントはさておき(^^;)
人工ではない、自然が創り出した造形ってのは、やはり魅力的です。
そして、
この海岸の遊歩道、
水平線が、ありえない程水平線です!
見渡す限り広がる海原に、ちょいと感動。
カメラでは上手く伝わりませんが、
どデカイ水平線は、視界の両端が下がる様に、緩やかに弧を描きます。
地球の丸さが感じられる絶景です。
遊歩道を進んだ先は 『 ヤセの断崖 』
なのですが、以前に来た時も思いましたが(^^;)
自分が実際にその上に立っちゃうと、どれ程の断崖なのか?
俯瞰ででも見られない限り、全く実感は無いものです。
只の展望台(笑)
ゼロの焦点の影響か、東尋坊と同じく自殺の名所?のようで、
こんな物が建てられていました。
そうだよね。^^
更に走って、『 関野鼻 』
再びR249に合流し、
『 琴ヶ浜 』 鳴き砂で有名な海岸です。
案内看板のレクチャーを熟読して砂浜に降り立ちましたが
風と波の音が強く・・・(T-T)全然鳴いてくれん?聞こえないだけ?
気を取り直して、更に北上。
大泊の 『 剱地権現岩 』 は、通称 『 トトロ岩 』 です。(^^)
地元で「立岩の権現さん」と言われるそうですから、
元々神聖なものでは?と思うのですが、
目ん玉付けちゃった勇気に拍手です(笑)イイネ♪
次の見所は黒島の集落です。
此処も北前船などの海航に重要であった土地だからか、
江戸時代には『天領』(幕府の直轄地)とされた村。
重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
この集落に限らず、
この漆黒の屋根瓦が能登の特徴。
同じ加賀藩でも、加賀大聖寺辺りの赤瓦とは対照的です。
つややかな真っ黒の屋根に、潮風に強い板壁が
能登の田舎の典型的な風景。
何故ここまでに黒に統一されているのか?は諸説あるそうですが、
『屋根の上に積もった雪が早く融けて滑り落ち易いから』
との説が有力なのだそうです。
此処もまた、
素敵な雰囲気の土地でした。^^
R249が内陸へと曲がる辺りから門前町(地区)の中心部になります。
門前との地名が示すように、大きなお寺さんを中心に栄えた村です。
曹洞宗大本山 『 總持寺 』
ここもまた、北前船と共に関係深く発展してきました。
かつては『輪住制』と呼ばれる制度により
総本山の住職を全国各地にある末寺の僧侶たちが交代で務めました。
短期間に交代する輪番で責任の分担をし、
また、相続争いによる分派を防ぐとともに
多くの僧侶が名誉を取得できるという効果もあったそうです。
その、各地から往き来する僧侶達、様々な文化の往来は
勿論、北前船が担っていました。
拝観料が400円要りますが、その価値はありました。^^
このまま立ち入って良いのか?悩みながら、自転車を押して門をくぐり
受付の女性に尋ねると、
その辺(建物の裏)に置いておいてください(^^)とのこと。
安心して、鍵も掛けずに自転車を係留し、境内へ。
経蔵。
北前船船主や各地の豪商達の財力により寄進された
経典が収められています。
扉の細工が見事でした。
山門をくぐり、境内を奥へと進みます。
この門の細工も見事です。
暫し見上げて見入ります。
伽藍の数々は残念ながら修復工事中でしたが、
折角なので奥へと。
工事による迂回で、ぐるぐると迷路の様に進み、
本堂(法堂)へと辿り着きます。(撮影はご自由にでした)
荘厳な雰囲気に包まれます。
正座して、厳かに、御参り。
心の洗濯ができました。
国道まで戻って、
コンビニで補給食。
能登半島西海岸は、
門前より上、猿山崎から先は道が在りません。
更にその北にある、行き止まり、飛び地的な僻地である皆月へは
山中の林道的なものが繋がっていますが、
その先はまた道が無い。
正に、ザ!奥能登!
時間的、体力的な計算から考察し
今回は皆月を諦めて、
峠越えで大沢へと出て、輪島へと周ることにしました。
(県)38の山道を、えっちら、おっちら、と、やっつけてゆきます。
ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ・・・
だ、大丈夫かな?俺(^^;) この先、もつんか?
峠を越え、ようやく快適な下りになって、
現れたのが、これ。
『男・女』をあてて「なめ」と読ませていますが、
明らかに、いわゆる山・沢用語の『ナメ』が語源なのでしょうね?
一枚岩の岩盤に、見事に発達したナメです。
すげ~。
徐々に脚を回復させながら、
名残の山桜に癒されながら
新緑の山里を下ってゆきます。
能登の方は、年中『はさ場』を片付けない文化のようです。
田の畦にはこの時期でも、
何処も立派でがっしりとしたはさ場が組んでありました。
さて、
ようやく海岸まで出ると、上大沢の集落です。
半島北面のこちらは、常に強風が吹くのでしょう。(今日も風が強い)
『 間垣 』 と呼ばれる垣根で、集落、家々が囲まれています。
細い竹をびっしりと並べて作られた見事なものです。
高さは3m以上ありそうです。
やむにやまれぬ生活の工夫と、その手間の積み重ねが創り上げた
素晴らしい景観でした。
そして、
この集落より西には道が在りません。
正に大絶景。
まだまだこんな場所があるんだ・・・
そう思うくらいに、『秘境』とか、『最果ての地』なんて言葉がしっくり来る
そんな場所でした。
昔は、能登半島北側のここらには、道なんて当然無かったのでしょう。
良港となる入り江に人(舟)が流れ着いて住み着いて、
そうして出来た集落がポツン、ポツンと点在している。
今は(県)38が通っていますが、
海岸線は延々と断崖絶壁です。
道には、『落石注意!』『こちら側駐車禁止(斜面側に居ちゃダメよ)』
って看板が至る所に立てられています。
集落は当然海岸ばたの僅かな土地に在って、
道は、稜線近くの少しでも傾斜が緩い箇所の方が安全なので
尾根の上方へと付けられている。
つまり、
集落が近付けば道は海へと下り、
集落を抜けると激登りで山の上へ・・・ その繰り返し。
ここから先の行程は、先程の峠越えより何倍も何倍も辛い辛い
地獄の道のりでした。(ToT)
延々と続くアップダウン。。。
ただ、幸いなのは、
とにかく、
延々と、
それはそれはダイナミックな大絶景の連続で、
今回の旅で一番想い出に残っているのも
この地獄の道の光景です。(^^)
なぁ~んにもない、本当に秘境でした。
上大沢から東へ離れた、大沢の漁村。
小さな湾に沿う小さな村。
そして、
見事な間垣です。
そして道はまた登る。。。(TT)
いつ脚が売り切れるのか?と心配しながら
辟易とする坂道の連続。。。
途中、
ふと目に入った小さな社。
鮮やかな赤花が目に飛び込んできました。
ツツジ?花葉が小さいからサツキかな?
ひそかに立派!
花ってのは盛りが短いものです。
その見頃に出逢えるのは、嬉しい。^^
能登半島北側には変わった名前(地名)が幾つかありますが、
その代表格?が『ゾウゾウ鼻』
ん?(^^;) どうやらコレ(↓)らしい
期待しすぎたボクが悪かった(笑)
相変わらず現れる『能登標準海岸集落』の眺めを愉しみつつ
素晴らしい好天と素晴らしい景色の道程は続きますが、
細かく延々と続くアップダウンに
完全に脚が食われてしまって・・・
寄ろうと思っていた竜ヶ崎灯台も、
視界に入ったのに見なかった振りでパス。(^^;;;)上ったら脚ツリそう。
それでもやがて、
秘境地獄ロードもどうにかやっつけて、
輪島の街へ。
時刻は14時近く。さすがに、朝市通りもこの通り。。。
まあどうせ、お買い物を楽しむ気なんて更々無い貧乏庶民は、
無料の足湯へ直行。(^^)
脚がヤヴァイぞ、まぢでヤヴァイぞ、
回復、回復、回復、回復、回復・・・・
素敵な雰囲気の建物内でしたが、
他のお客様(美しい女性達)が3人、綺麗なお御足を投げ出しておられたので
写真はNGです。(^^;)
楽しそうな会話に耳を傾けながら、
回復、回復、回復、回復、回復・・・・(T-T)ダイジョウブカナオレ
少々長目の休憩を入れて、
重蔵神社横の小路を抜け、輪島の街を後にします。
国道沿いのコンビニで補給。
後々分って大後悔する事になるのですが、
この先とにかく、
奥能登には、
とにかく、
何ぁんにもありません!
ハラへったって、メシ買うトコがありません!
コンビニ?そんな文化ありません!
以上!!!
輪島周辺で、何と言ってもメジャーな観光スポットと言えば
白米の千枚田。
初めて訪れたのですが、
想像して期待していたよりも少々がっかりポイントが付いてしまったのは、
(マイナスの事ですが、敢えて、正直な感想です。)
あまりにも大掛かりな観光開発がされていた事。
それなりの駐車場一つがあれば充分だと思うのですが、
目障りな展望台や柵やソーラーパネルなんかまでまで・・・
確かに見事で立派な棚田だけど、
雰囲気は、
ここまで走る道中に見てきた名も無き棚田の数々の方が
本来の感じかな・・・。
でもまあ、(^^) 確かに素晴らしいです。見事な規模。
これを作られ、守ってきた人々の手を思うと、
本当に凄いです。
暫く堪能させていただきました。
観光客が多く、
交通量があるのは輪島からこの辺りまで。
ここから先は途端に閑散とし、また元の奥能登の雰囲気に戻ります。
ここから暫くは、
有名な揚浜式塩田が点在して見られるようになります。
国道沿いを走っていて、窯を焚く為の薪が積んであったり、
こうした塩田のある風景が度々現れます。
そして相変わらず・・・
道はアップダウン・・・(--;)
景色はこれも相変わらず最高なんだけどね。
曽々木海岸の 『 窓岩 』 国指定の名勝及び天然記念物。
そして、
また塩田。
テレビで時々お見掛けするお顔の方が作業をしておられました。
江戸時代から代々続く角花家です。
今ではこの文化が見直され観光塩田なども増えましたが、
昔々から途絶える事無く只一軒、守り伝えてきたのはこの御宅。
揚浜式塩田は、国の重要無形民俗文化財です。
相変わらず・・・また書きますが(^^;)
相変わらず細かにアップダウンを続けるR249を行きます。
疲労から、気持ちは微妙に沈みがちです・・・
が、
大谷という集落で、
思わぬ大絶景に遭遇♪
一体、何百メートル奥まで続いてるんだろう。
素晴らしい光景に魅入りました。(^^)ありがとう。
そしてまた、
なぁ~んにも無い長閑な幸せな道が続きます。
海岸沿いの道は、R249から、(県)28に変わります。
おっ!
さあ!ゴジラを探せ!
(^^;)コレね。
あんまり大きいのを期待しちゃダメよ。
狛犬ジャナイヨ。。。ゴジラだってば。
黙々と、ペダリング。
目指すは、能登半島の先っちょです。
まだか?まだか?まだか?
岬を周り込む度にそう思いますが、中々・・・遠い。
まあ、分っちゃいるんだけど・・・。(^^;)
堂ガ崎を過ぎると、
ドカーン!と現れて覚悟を要求するのが、最後のこの登り。
10%超の坂が連続し、つづら折れ。
心まで折れちゃいそうですが、ボチボチ行きます。
ってか、ボチボチでは失速して止まっちゃう激坂なので
頑張って漕ぎます (T-T) 歯ぁ食いしばれーっ!
汗だくで登り上げたら、
『 椿の展望台 』
素晴らしい眺め(TT)
絶景眺めながら、持ち手最後の補給食、草餅にかぶりつきます。
徐々に日の傾きが迫ってきますが、
ここから今日の最終目的地、禄剛埼の灯台まではあと一息!
がんば!
狼煙(のろし)という地名に歴史を感じる能登半島最先端。
道の駅から少し丘を登った先に目指す灯台が在ります。
やっと辿り着いた~。
道の駅で偶然居合わせたライダー(オートバイ)の方が自転車もされる方で、
お喋りを愉しみながらの登頂。
その方に写真を撮っていただきました。
疲労感いっぱいで、
ぼ~ぜんと、水平線を眺めます。。。。
あ~~~~~。。。
本当ならば、
此処で1日目を終わらせるつもりでした。
が、
時刻は夕方5時過ぎ。
道の駅も閉店。
水分は自販機があるが、食料の手持ちが無い!
まあ、観光地なら何かあるだろう・・・と、
のんきに構えて思っていた自分を大大大後悔!
奥能登には、
本当に何も無い!
ライダーの方は、今夜は珠洲泊りだと言う。
なんとなく、薄々想像はつきましたが・・・ボクもそこまで行かなきゃ?かな?(TT)
既に売り切れの身体と心に鞭打って、
ヒイコラとペダリングを再開。。。
時折現れる集落、、、
商店らしき物は、、、食料買えそうな処は、、、皆無。
辛い、辛い、
エネルギーが欲しい。。。
迫る夕暮れに追い立てられるように、
それでも身体は全く言う事をきいてくれなくて、、、
遅々として、、、
どうにか進む。
次の集落が現れる度に、期待は裏切られ、
かくなる上は、
民家の戸を叩いて、オニギリでもめぐんで貰うしかないか・・・
相~当~追い詰められました。
ハンガーノックどころの騒ぎじゃありません。
時々道路標識に現れる『珠洲市街地』の文字にすがるように、
気力を振り絞って進みます。
坂も登ります。(TT)
そうして・・・
どうにかこうにか・・・
食堂を兼ねているこの民宿を見つけた時には、涙が出そうな位でした。
戸を開けて入ろうとすると、客は一人も居なく
大きな三脚を立てたカメラマンと、もう一人、
女性二人が何かの取材中でした。
(えっ!あれ!?やってないのぉ!!!)って泣きそうになり、
思わず「入っていいですか?(TT;)」って聞いちゃいましたが、
カメラマンの女性が「はい♪すいません(^^)どうぞ、あ、お客さんですよ~」
と奥へ声を掛けてくださいました。
助かったぁ~~~。安堵。安堵。
美味しそうな海鮮のメニューも色々ありましたが、
庶民は550円の五目ラーメンを注文。
「ごめんな~(^^;)」と、ご主人は取材の対応をしておられたので
にこやかにサッパリ系の、始終笑顔の優しい女将さんが相手をしてくれました。
大盛りとは頼んでいなかったのですが、
明らかに客を見てサービスしてくれた量の多さ(笑)
ありがとうございます。^^
道中ず~っとそうでしたが、
商店らしい商店は無くても、『たばこ』の看板は結構目に付きました。
このお店も、たばこ屋さんを兼ねていた。
食事中、地元のおじさんが入ってきて煙草を求めますが、
御希望の銘柄が無かった様で
「次の配達が・・・」なんて会話。
懐かしい。
私の父も昔、地元の万屋でおんなじ様な会話をしていたなぁ。^^
ここは未だ、
昭和だ。
自転車と見て、「ツールド能登出なさいよ(^^)」と言われました。
色々と会話が弾み、
とにかく、この食堂が在って助かった事の感謝を述べます。
「狼煙でもうハラペコだったんだけど、その先もず~~~っと、
とにかく何ぁ~んにも無いんですもん!もう!想像以上でびっくりしました!」
って言うと、
「なんにも無いのがいいんでしょ♪(^^)
その時間に狼煙を出て、もうココに居るなんて凄いね!」
って、満面の笑顔で返されました(笑)
その通りです。その、何も無い感じが、奥能登の素敵な雰囲気ですよね(^^)
満腹になって落ち着いて、
ようやく、気持ちが戻ってきました。
「今夜どうするの?」
「そこらで寝ます(^^)」
「野宿か、いいね。(^^)道の駅が近くにあるよ。」
「そうですか、ありがとうございます。^^ 銭湯とかこの辺に無いですかね?」
「あるよ(^^)3~4キロ先に、『あみだゆ』さんがある。
サークルKが目印で、道の駅もそのすぐ近く、
この道をず~っと、サークルKの辺りまで行けば
看板があるから分ると思うよ(^^)」
願ったり叶ったり。
風呂入って、コンビニで酒買って、飲んで、寝る。
そんな幸せは無い♪
風呂!発見♪
海に面して建つ銭湯で、
海を眺めながら浸かれる湯船がありました。。。
超幸せ♪
長湯を心ゆくまで堪能しました。
この銭湯の女将さんにも話し掛けられ、暫しにこやかに交流。
「野宿いいね(^^)」って、ここでも言われました。
道の駅へ行ってみます。
隣接するコンビニで酒を購入し、〆る気満々ですが、
バスの発着所やタクシーの待機所を兼ねた道の駅。
煌々と明かりが灯り、直ぐその裏には民家が広がっていて、
場所を選んでも、相当遅い時間にならないと
ゆっくりと眠れる雰囲気ではありませんでした。
もう一つ目星を付けておいた場所、
漁港へと移動。
静かで真っ暗。
超落ち着く♪
片隅をお借りする。
荷を解き、
少し着込んで、
シュラフへもぐりこむ。
飲みながら、
友人や家族とメール。エールを頂く。
「脚が売切れです(T-T)明日帰れるのだろうか?」 と送ると、
お嫁ちゃんからは、
「明日帰るのが無理なら明後日でもまあ十分楽しんで(^o^)
なかなかないよ、大人になったら! ハハハ(笑)」
って、超素敵過ぎる返事が返ってきました。
本当に良くできた嫁です。
大感謝。 m(__)m 頭上がりません。
でも、その後に、
「土産♪土産♪土産♪土産♪土産♪・・・」
ってメールが来ましたが(--;)
睡眠導入材500ml×2本は効きました。
綺麗な月の夜空を眺めながら、、、
9時前に、深い深い眠りへ。。。
今日の走行距離、196.50Km
長い長い、超充実の1日。
ようやく終了です。
おやすみなさい。
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コメント
キタァ~~~~

久し振りのチャリネタが行き成り全開じゃないですか
写真拝見させていただき知ったところばっかり
って
懐かしいな~~
私も来月、全く同じコース走ります・・・タブン
能登後篇も楽しみにしております
投稿: taizo | 2015年4月30日 (木) 06:53
taizoさん、こんちはぁ
思いっきり、先日のtaizoさんのに触発されて(笑)行って来ました。
運動不足の中年オッサンが、いきなりこの距離はキツかったですが
まあ、どうにかなるモンですね(^^;)
久々の自転車旅、大満喫しましたぁ。
ありがとうございます。^^
そちらも楽しんでね~
投稿: Fumi | 2015年4月30日 (木) 14:43