私の職場の作業場にはラジオが流れている。
当然、
社員は私より年上の方も居られ
リーダーは年長者なので、
FMではなく、
AMである。
作業しながらでは半ば聞き流す状態だから
耳に入っていない事も多いのだが・・・
今日、
とある曲に耳がそばだてられた。
五木ひろしが唄う 『 山河 』 であった。
(作詞:小椋佳 作曲:堀内孝雄 編曲:川村栄二)
仕事で大変お世話になった方が大好きだった曲で、
脳裏には
カラオケで、
その方の歌声、目を閉じて笑みを浮かべて歌う様が
鮮明に蘇る。
お酒が大好きで、
酔った上でのエピソードには事欠かず・・・(笑)
それでも、仕事の実力はピカイチ断トツに抜きん出ていて、
まあ、憎めない人だった。
憎めない。
嫌いではなかった、と言うより、
どちらかと言えば好きな人だった。
仲良くなってもプライベートは一切見せない方だったが
近しい人の話では
御家庭で苦労が多かった様で、
其れ故の酒であったのかも知れない。
定年を迎え、
少しは楽に生きられるのだろうか・・・との立場になって、
一年と経たずに
突然、
鬼籍に入ってしまった。
早過ぎた。
仕事人だったあの方の、
唯一の趣味が 『 歌 』 であったようだ。
これまで、
そこまで意識した事は無かったのだが、
しみじみとラジヲに耳を傾ける内に・・・
此の唄の歌詞の素晴らしさ、奥深さに魅了される自分が居た。
(略、抜粋)
『 顧みて、恥じることない足跡を山に残したろうか
永遠の 水面の光増す夢を 河に浮かべたろうか
愛する人の瞳(め)に
俺の山河は美しいかと
歳月は 心に積まれ 山と映り
歳月は 心に流れ 河を描く
そこに 積まれる時と 流れる時と
人は誰もが 山河を宿す
ふと想う
悔いひとつなく悦びの山を 築けたろうか
くしゃくしゃに嬉し泣きする
かげりない河を抱けたろうか
愛する人の瞳に
愛する人の瞳に
俺の山河は美しいかと 』
このうたを愛したあの方の人生はどうであったのだろう。
働き、働き、働き。
自分はどうなのだろう。
不惑を過ぎた私もそろそろ、
人生の折り返しはとっくに越えている。
こんな自分でも、
それなりに歳月を重ねれば社会的責任も年々と与えられてくるもので、
働き盛りとされる今、
様々な重責と悩みの中に居る。
気付けば、
これまで積み重ねてきたものを振り返り、
将来の事を真剣に考えて組み立てなければならない立場になった。
仕事にあっても。
家族の事であっても。
言い換えれば、
これまでは自由に選択しながら生きてこられた自分の目の前にある道の
その道幅、
分岐の選択種が、
どんどんと狭まり、定められてきて、
自分に残された道と
その道へと背負って歩くものへの
責任、覚悟、又は遣り甲斐・・・
そういったものが
はっきりしてきたとも言える。
今までの自分はどうであったのか?
これから、どう生きるのか?
主人が、
父親が、
これ程までに悩んで頑張って日々を過ごしている事を、
家族は、
実は、
こちらの希望程には知らないのだと思う。
まあ、
無理も無い、
主人が(父親が)頑張る姿を、
辛い言葉を浴びせられたり、苦しむ姿を
家族が目にする事なんて無いんだから。
それで良いのでしょう。
『 顧みて、恥じることない足跡を山に残したろうか
永遠の 水面の光増す夢を 河に浮かべたろうか 』
男が働くというのは、そういうもの。
決して、褒めて貰えなくても
後に、誰かが自分の人生の痕跡を知った時に
恥じることの無い生き様であったのか・・・
愛すべき人、家族に対して、
そして自分自身に対して、
胸を張れる自分であったのか・・・
そんな、
心の奥底に在るプライド、道徳観、美学が、
転げ落ちくじけそうになる自分を支えてくれているのだと思う。
家族を、大切な人を愛する気持ちが、
その人に恥じないように応えようと思う気持ちが、
私を正常に保ってくれている。
『 人は皆 山河に生まれ 抱かれ 挑み
人は皆 山河を信じ 和み 愛す
そこに 生命をつなぎ、生命を刻む
そして 終(つ)いには 山河に還る
顧みて 恥じることない足跡を山に残したろうか
永遠の 水面の光増す夢を 河に浮かべたろうか
愛する人の瞳に 愛する人の瞳に
俺の山河は美しいかと 美しいかと
歳月は 心に積まれ 山と映り
歳月は 心に流れ 河を描く
そこに 積まれる時と 流れる時と
人は誰れもが 山河を宿す
ふと想う 悔いひとつなく悦びの山を 築けたろうか
くしゃくしゃに嬉し泣きする かげりない河を抱けたろうか
愛する人の瞳に 愛する人の瞳に
俺の山河は美しいかと
顧みて 恥じることない足跡を山に残したろうか
永遠の 水面の光 増す夢を 河に浮かべたろうか
愛する人の瞳に 愛する人の瞳に
俺の山河は美しいかと 美しいかと 』
実に良い詩。
今後の人生の道標にもなりうる重さを持っている。
仕事でも、
遊びでも(^^)
恥じることない足跡を
山に残し、
夢をみなもに浮かべる、
そんな生き様でありたいです。
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